MacBookの寿命には明確な基準はありません。何をもって寿命なのかということもありますし、その人が求めるものによっても寿命は変わってきます。また機種によっても事情が異なり、はっきりと「MacBookの寿命は何年だ」ということは言えません。
しかしMacBookの寿命になり得るポイントはあります。
今回の記事では、
- ハードウェア的な寿命
- ソフトウェア的な寿命
- 買い換えのタイミング
この3つについて解説します。
MacBookの購入を検討されている方はもちろん、「そろそろ買い換えかな?」と感じている方にも参考にしていただける内容となっています。
目次
ハードウェア的な寿命は約9年
MacBookの想定耐用年数は「4年」
Appleが想定するMacBookの耐用年数は「4年」となっています。
最初の所有者を基準にした使用年数について、macOSまたはtvOSを搭載したデバイスは4年、iOS、iPadOSまたはwatchOSを搭載したデバイスは3年とするモデルを採用しています。ほとんどのApple製品は耐用年数がこれよりも長く、多くの場合最初の所有者から別のユーザーに譲渡または転売されるか、Appleによって回収されます。
ただ「ほとんどのApple製品は耐用年数がこれよりも長く」とあるように、実際のところは4年を超えて使われることがほとんど。
バッテリーの寿命については後述していますが、大切に扱うことよって耐用年数の4年を超えて使い続けることは十分可能です。
供給停止から7年で修理サービスは終了
Appleが販売店への供給を停止してから7年以上経過した製品を「オブソリート製品」といいます。
オブソリート製品に対しては、Appleや正規サービスプロバイダによる修理サービスは提供されません。ただし、MacBookでは、バッテリー修理に限っては最長10年まで修理受付が延長されることがあります。
つまり、Appleでの取扱いが終了してから7年経つものに関しては、故障してしまえばそこでMacBookの寿命を迎えることになります。
正規ではない修理店などで修理してもらうことは可能かもしれませんが、部品の関係もあり修理が難しい可能性が大でしょう。
機種によって異なりますが、発売されてから販売終了するまでの期間はだいたい1〜2年ほど。
「修理可能な期間」 をMacBookの寿命をとするならば、1〜2年 + 7年の約8〜9年がMacBookの寿命と言えます。
先にバッテリーの寿命がくる
MacBookに内臓されているリチウムイオンバッテリーは消耗品です。充放電を繰り返していくうちに劣化し、バッテリー駆動時間が短くなってきます
MacBookのバッテリーは、フル充電サイクルを1,000回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されています。
バッテリーのサービスとリサイクル(Apple公式)
1日でサイクル1回とすると、約2.7年の使用でバッテリー最大容量が80%、という計算になります。
- 最大容量が90% ⇒ まだまだ使える
- 最大容量が80% ⇒ 充電の減りは気になるがまだ粘れる
- 最大容量が70% ⇒ バッテリーもちがかなり気になる
- 最大容量が70%未満 ⇒ もうそろそろ買い替えもしくはバッテリー交換
あくまでもイメージとなりますが、上のような感覚です。
バッテリー最大容量が70%未満になるまで粘っても、MacBook本体よりもバッテリーの寿命が先にくることいになります。
上で「1〜2年 + 7年の約8〜9年がMacBookの寿命」と書きましたが、長く使うには「新品バッテリーへの交換」が必須になります。
ソフトウェア的な寿命は約7年
macOSのサポート期間について
MacBookの寿命を「macOSのサポート期間」とするならば、寿命はざっくりと7年となります。
ただしmacOSのサポート期間は機種によって異なります。また事前に分かるものではなく、新しいmacOSが発表されたときに初めて対応機種が判明します。
2024年秋リリースの「macOS Sequoia」には、以下の機種が対応します。
- MacBook Air:2020以降
- MacBook Pro:2018以降
- Mac mini:2018以降
- iMac:2019以降
- iMac Pro:2017以降
- Mac Studio:2022以降
- Mac Pro:2019以降
これらの機種は、少なくとも次期macOSがリリースされる2025年秋までは最新のmacOSにアップデートできます。
macOSのサポート対象外となると、当然新しいmacOSの機能は使えません。
iPhoneやiPadなど他のApple製品との一部の連携機能を利用できなくなったり、アプリとの互換性に問題が出てきたり、セキュリティ的な対応が遅れてしまったりという可能性もあります。
セキュリティアップデートについて
サポート対象外となってもただちに使えなくなるわけではなく、セキュリティーアップデートによるフォローは続きます。
Appleのセキュリティリリースを見ると、2024年7月29日に「macOS Monterey(2021年リリース)」に対しセキュリティアップデートが配信されています。
macOS Monterey対応のMacBookでもっとも古いのは2015年発売の機種。9年前に発売された機種に対してもフォローがあるのは良心的です。
ただセキュリティアップデートがあるからといって、必ずしもセキュリティ的に万全とは限りません。やはり望ましいのは最新macOSへのアップデートです。
4つの買い換えタイミング
続いてはMacBookの買い換えを考えるタイミングについて解説していきます。主に以下の4つのタイミングがあると考えています。
- バッテリーが使用に影響するほど劣化した
- macOSのサポート対象外となった
- 高額な修理費用が発生した
- 新しいMacBookが発売された
1. バッテリーが使用に影響するほど劣化した
MacBookのバッテリーの劣化が顕著になってきたタイミング。これ1つめの買い換えタイミングです。
バッテリーの最大容量が70%未満となると、さすがに駆動時間の短さに不便を感じることが多くなってきます。さすがに限界か……と感じたときの選択肢となるのが、「バッテリー交換」か「買い替えてしまうか」の2つでとなります。
バッテリー最大容量が70%未満となっているということは、使い初めて4、5年以上は使用しているはずです。性能の高い新機種が気になってくる頃ですし、いま使っているMacBookを下取りに出して買い替えてしまうのもありでしょう。
もちろん、バッテリー駆動時間以外に不満がなければ、新品バッテリーに交換して使い続けるのもありです。
2. macOSのサポート対象外となった
使っている機種がmacOSのサポートから外れてしまったタイミング。これが2つめの買い替えタイミングです。
セキュリティアップデートは続くため直ちに問題が発生することはないですが、macOSの新機能が使えないのはさみしいですし、時間が経てば使用しているアプリとの互換性の問題も出てきます。
「サポート対象外となってしまったし、バッテリーもそろそろ限界……」ということであれば、ぜひ買い換えを検討してみましょう。
3. 高額な修理費用が発生した
MacBookの修理費用は非常に高額です。有料保証のAppleCare+に加入していれば格安料金で修理できますが、そうでない場合は10万円以上かかることも珍しくありません。
Appleや正規サービスプロバイダに修理に出すと、修理前に見積もりを出してくれます。あまりに高額な修理費用がかかるとなれば、買い換えを検討せざるを得ないことも考えられます。
修理費用によっては、同じ金額で同じ機種の中古が買えてしまうこともあるでしょう。新品・中古含め買い換えを検討してみてください。
4. 新しいMacBookが発売された
新しい機種が発表され、どうしてもその新型が気になる……という方もきっといるはずです。これも私は買い換えタイミングになると考えています。
MacBookを含むApple製品は、リセールバリューが落ちにくく売却時には高く売れます。数年前の機種であっても値がつくことが多いので、差額で新機種を購入するという考えもありです。